企業のマーケティングキャンペーンに活用されることも多い「Twitter」。「インスタントウィン」「マストバイキャンペーン」といったキャンペーン手法の名前は、いまやSNSマーケターの間では一般的にもなりました。
Twitterは日本国内において、LINEに続き、2番目に月間利用者数が多いSNSで、即時性と拡散性に優れたプラットフォームです。本記事では、Twitterのユーザー情報や特性を解説した上で、Twitterマーケティングの特徴や手法、企業の成功事例を中心に解説します。
Twitterを活用したマーケティング施策をご検討されている場合には、ぜひ最後までご覧ください。
目次
Twitterのユーザーデータ・特性
ユーザーデータ
Twitterのユーザーデータは、次の通りです。
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※1：収益化可能な1日あたりのアクティブユーザー
※2：参照元：総務省情報通信政策研究所 令和３年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書
※3：参照元：Twitterでわかる現代の消費行動パターン｜Twitter Japan
※4：参照元：暮らしの情報とTwitter｜Twitter Japan
ユーザーデータを見てわかるように、Twitterユーザーは若年層にとどまりません。30代、40代、50代にも幅広く利用されています。「F1層」「M2層」といった年齢別でターゲットを考えるときにもTwitterが利用候補に挙がりやすい理由はここにあります。
プラットフォームの特性：即時性・拡散性・本音ベース
Twitterのプラットフォームの特性は、主に3つあります。
- 即時性が高く、リアルタイムに情報がやり取りされる
- 拡散性が高い
- 本音の情報発信者が多い
Twitterの1つ目の特性は、即時性の高さです。
Twitterでは、世の中で起きている出来事に関する会話がリアルタイムに繰り広げられます。検索エンジンではなくTwitterでニュース検索するユーザーがいるのも、Twitterの即時性によるものです。テレビとの連動施策でTwitterが活用されるのも同様の理由です。
2つ目の特性は、拡散性の高さです。
他のSNSと比較し、Twitterはシェア（＝リツイート）されやすい特徴があります。この特徴を活かすために、キャンペーン時のTwitter広告は広告主のキャンペーン投稿に課金する形が通常です（トレンドテイクオーバーは除く）。広告ツイートがリツイートで拡散されたあと、二次拡散によって起きたシェアやリツイートなどのアクションに対しては、広告費が課金されません。つまり、オリジナル投稿に広告でブーストをかけたあと、シェアやリツイートによって追加広告費なくレバレッジをかけることができます。「フォロリツ」のキャンペーンが多い理由はこの点にあります。
Twitterの3つ目の特性は、本音の情報発信者が多いことです。
Twitterは実名登録が必須ではないため、本音で語られる傾向があり、商品・サービスに対するレビューや感想は、よりリアルなものになります。企業はユーザーの生の声を拾うソーシャルリスニングツールを使って口コミ分析をおこない、戦略策定や結果分析に役立てています。
Twitterマーケティングの特徴と傾向
Twitterマーケティングには、次の5つの特徴があります。
- 幅広い年代に広くリーチできる
- 投稿後の拡散力が高い
- ニュース性が高い
- ユーザーと相互にコミュニケーションが取れる
- Twitter分析ツールを活用することで改善が可能
それぞれの特徴を解説します。
幅広い年代に広くリーチできる
Twitterマーケティングの特徴の1つが、幅広い年代に広くリーチできることです。
主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の全世代・年齢別の利用率の調査結果が、次の表です。
60代はTwitterの利用率は14.1％と高くはありません。
しかし、50代の利用率は約34％あり（3人に一人が利用）、10代〜50代まで幅広い年代にリーチできることが分かります。
投稿後の拡散力が高い
Twitterマーケティングの2つ目の特徴は、投稿後の拡散力が高いことです。
SNSとして高い人気を誇るLINEはクローズドなSNSで、タイムラインはお互いを「友だち」に追加している場合にのみ表示され、拡散力は高くありません。
また、InstagramもTwitterほど拡散力は高くありません。これは、リーチがフォロワー数とハッシュタグに依存するためです。
一方、Twitterにはハッシュタグやいいねといった機能に加え、他ユーザーの投稿を気軽に再投稿できる「リツイート」機能が標準で実装されており、拡散力が高いです。多くのユーザーに興味を持たれる投稿は、爆発的な勢いで拡散されることがあります。
「プラットフォームの特性：即時性・拡散性・本音ベース」で述べたように、広告との組み合わせで、Twitterでは広告効果が指数関数的に上がる可能性があります。
なお、Facebookにも「いいね」や「シェア」といった拡散機能があります。しかし、エッジランクというアルゴリズムの導入によりオーガニック投稿のリーチが伸びにくい状況です。
ニュース性が高い（発話量とトレンド）
ニュース性が高い施策ができることもTwitterの特徴です。Twitterには「トレンド」というビューがあり、その時のTwitter内で語られているトピックが表示されます。これをニュースととらえ、まずこのビューから見るユーザーもいます。ユーザーの発話量を増やすための目安として、この「トレンド」に掲載されることを目指すこともあります。
リアルのイベントやテレビ番組など、クロスメディアで様々なプラットフォームを横断して使うことが可能なのもTwitterの特徴です。ネットでの生配信やテレビ番組など、他メディアで取り上げられる情報の中にも、Twitterが発信元となっているケースが少なくありません。
ユーザーと相互にコミュニケーションが取れる
Twitterマーケティングの4つ目の特徴は、ユーザーとの相互コミュニケーションが可能なことです。ユーザーの意見や感想といった情報を取り入れ、製品・サービスの改善や企業イメージの向上、顧客との信頼関係の改善といった施策に繋げられます。
従来のマーケティングの多くは、企業から消費者・顧客への一方的な情報発信であり、消費者・顧客から企業への情報伝達はありませんでした。
一方で、Twitterにはリプライ（返信）機能や引用リツイート機能があり、消費者・顧客が企業のツイートに対して簡単にリアクションすることが可能です。Twitterが匿名参加できることも、企業アカウントとの会話を容易にしています（企業がユーザーと会話するかどうかは、各企業によるSNSアカウント運営方針にゆだねられます）。
Twitter分析ツールを活用することで改善が可能
Twitterには、公式で提供されている「Twitterアナリティクス」など、分析ツールが存在します。Twitterアナリティクスでは、投稿したツイートのインプレッションやユーザー属性といったデータを取得可能です。
分析ツールを活用することで、施策の改善点を洗い出し、より効果的な施策の実施が可能になります。分析ツールはTwitter公式に限らず、特徴あるツールを有償で提供する企業もあり、それらを利用した効率的な運用もできます。
Twitterマーケティングには運用とキャンペーンの2つがある
Twitterマーケティング施策における、企業アカウント運用（オーガニック運用）とキャンペーンについて解説します。この２つの施策に対して、適宜広告を組み合わせることで、スケール感のある施策が実施できます。
企業アカウントの運用(オーガニック運用)
1つ目のTwitterマーケティング手法は、企業アカウント（公式アカウント）を運用する方法です。
メリット
企業アカウントの運用には、3つのメリットがあります。
- コストがかからない
- 商品・サービスのPRが可能
- 自社の認知度の向上が期待できる
企業アカウントを自社で運用する場合、広告費などのコストは発生しません。工夫次第で効果を期待できます。
獲得したフォロワーはいわば、「つながった状態のお客様」です。つながった状態のお客様に、適切なメッセージを適切なタイミングで届ける（投稿する）ことによって、効果的に商品・サービスのPRが可能です。
「楽しい」「有益である」と判断されれば、ユーザーは企業アカウントをフォローすることに抵抗はない傾向にあります。
デメリット・注意点
企業アカウントの運用には、3つのデメリットがあります。
- 炎上のリスクがある
- 魅力的なコンテンツの継続的な発信が必要
- 成果を出すためには、中長期的な運用が必要
Twitter上のツイートが思わぬ炎上を招くことがあります。炎上を防ぐためには、一人の担当者にすべてを任せず、投稿フローには内容チェックプロセスを入れるといった工夫が必要です。
また、フォロワーを獲得するためには、魅力的なコンテンツを継続的に発信する必要があります。投稿内容の方針や内容を考えるための編集会議など、アカウント運用のためのルールや型のようなものに沿って運用すれば、担当者が迷うことも減るでしょう。長期視点で運用を見守る姿勢と、継続のための工夫が欠かせません。運用負荷や事故を減らすための投稿管理ツール導入の検討も一つです。
Twitterキャンペーン
Twitterキャンペーンは、Twitterマーケティングの代表的な施策として盛んに行われています。「フォロリツキャンペーン」、「インスタントウィン」、「マストバイキャンペーン」、「アイコンジャック」、「カンバセーショナルカード」といった言葉が飛び交いますが、これらはTwitterキャンペーンの手法または機能の名前です。「新規フォロワーを獲得したい」、「Twitter空間での発話量を増やしたい」、「新規アプリインストールを促したい」など、目的は多岐にわたり、目的に合わせた手法の設計がなされます。
メリット
Twitterキャンペーンには、3つのメリットがあります。
- 簡単な条件を設定すれば、気軽に参加してもらえる
- 新規フォロワーの獲得が期待できる
- RTや投稿を条件にすれば、拡散が期待できる
企業によるTwitterキャンペーンで重要な要素は「キャンペーン参加の手軽さ」「その場ですぐに当選が分かる」「インセンティブの質」「ユーザーが楽しめる」といった点です。
「フォロー＆リツイート」で気軽に参加できるキャンペーンや、リプライやDMで当選結果をすぐに確認できる「インスタントウィン」形式のキャンペーンを行えば、気軽に参加してもらえるでしょう。そこに、「ユーザーが楽しめる」、「自社の商品の世界観に触れることができる」といった要素が加われば、トレンドに掲載されるキャンペーンも夢ではありません。
デメリット・注意点
Twitterキャンペーンには、3つのデメリットがあります。
- 応募者が多く、確認に時間がかかる
- 当選者の発表に時間がかかる
- キャンペーン終了後にフォローを解除される
応募者が多ければ、確認や当選者へのDM送信などに時間がかかります。これらを解決するツールはありますが、自分たちでやろうとするとミスの可能性や手間の課題が残ります。
また、キャンペーンで獲得したフォロワーはロイヤルティーが低く、自社の本当のお客様ではないかもしれません。キャンペーン企画時に目的を明確にし、適正な手法をとることが不可欠です。
企業のTwitterマーケティング事例
ここでは企業のTwitterマーケティング事例として、弊社が支援した企業様の事例を4つ紹介します。
事例①：ユーザーアクションをポイント化した株式会社Yostar
株式会社Yostarは、同社のアプリゲーム『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』のGW（ゴールデンウィーク）施策として、『貯めろ！アウトローポイント！』企画を実施。
RT・いいね・ツイートの各アクションによってポイントを獲得し、獲得したポイントに応じて豪華賞品に応募できるという内容です。
施策の実施には、後述する弊社分析ツール「Beluga」のインスタントリプライ機能とエンゲージポイント機能を活用。
施策は「何だか楽しそうな事を始めましたね(^-^)」「面白そう！」などの声があがり、ファンのエンゲージメントを高める施策として大成功のうちに終えました。
Yostar： TwitterでのRTやツイートがポイント化される「エンゲージポイント機能」を活用
事例②：動画の完全視聴を狙ったキリンビール株式会社
キリンビール株式会社は新商品「SPRING VALLEY（スプリングバレー）」の発売を記念して、ブランドムービーの視聴をトリガーとしたキャンペーンを実施しました。
キャンペーンツイートのウェブサイトカードを押し、ブランドムービーの視聴が完了すると、「視聴完了ツイートをして応募する」ボタンが表示され、キャンペーンに応募できるという内容です。動画を最後まで見てもらえる仕組みが特徴です。
施策の実施には、Belugaキャンペーンの「カスタムストーリー」機能を活用。 多くの参加者の商品理解を深め、商品への期待感を高めることに成功しました。
キリンビール：ブランドムービーの完全視聴をトリガーとしたTwitterキャンペーンを実施
事例③：アイコンジャックでエンゲージメント向上を実現した株式会社セガ
株式会社セガは人気スマートフォンゲーム『Re:ゼロから始める異世界生活 Lost in Memories』の施策として、『指先を募集デス！』キャンペーンを開催しました。
キャンペーンに参加すると、Twitterのプロフィールアイコン画像が、ゲーム内のキャラクター「ペテルギウス」に変化するというアイコンジャックの内容です。
施策の実施には、Belugaキャンペーンの機能を活用。
キャンペーン終了後もプロフィールアイコン画像を元に戻さないユーザーが多く見受けられ、多くのファンに楽しんでもらうことに成功しました。
SEGA『リゼロス』： Twitterアイコンジャック施策でファンのエンゲージメントを向上
事例④：株式会社スクウェア・エニックスは2人1組のキャンペーン応募を企画
株式会社スクウェア・エニックスは、同社が配信するスマートフォン用ゲームアプリ『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』のTwitter施策で、ユーザー参加型のキャンペーンを実施しました。
Twitter上で「#教えてオペオム」というハッシュタグと共に質問すると、他のプレイヤーがその質問に回答、質問・回答の2つが揃うと2人1組でキャンペーン応募が完了するという内容です。
施策の実施には、Belugaキャンペーンの「インスタントリプライ機能」を活用。 2人1組でキャンペーンへ参加するという新たなフローでしたが、多くのプレイヤーが参加し、キャンペーンは成功しました。
スクウェア・エニックス： 2人1組で参加する新たな形式のTwitterキャンペーンを開催
Twitterキャンペーン-目的の考え方
Twitterキャンペーンを計画する際には、ユーザーの認知・理解・行動・購入といったフェーズにおいて、どのような施策を打つのかを考えていきます。
まずは認知拡大、エンゲージメント獲得、来店促進・利用促進・売り上げ拡大など、マーケティング視点のゴールを考えてみてください。オーガニック運用も同様の目的があるでしょう。各投稿の結果積み上げられる、ユーザーとのコミュニケーション体験によってゴールに近づいていきます。
目的としては商品・サービスの認知拡大やファン獲得、店舗層客や売り上げ拡大など多岐にわたります。そして初めて、「インスタントウィン」や「マストバイ」など、キャンペーンの手法に落としていきます。
その後、設定した目的に応じてKPIを設定しましょう。具体的な数字を用いて定量的なKPIを設定することが重要です。
Twitterキャンペーンであれば、次のようなKPIがセットされることが多いでしょう。
- 〇〇（数）リツイート
- 〇〇人のフォロワーを獲得
- 〇〇（数）いいねを獲得
- 〇〇（数）インプレッション獲得
なお、キャンペーンはTwitterだけで展開するとは限りません。テレビCMや生配信、交通広告など複合的なキャンペーン施策の一つとして実施され、合計でのKPIをセットすることもあります。
目的別：Twitter運用・分析・キャンペーンツール「Beluga」の選び方
目的別にどのようなツールを使えばよいか、弊社（ユニークビジョン）のBelugaを例に選定のポイントを解説します。
Twitterアカウント運用（投稿管理・分析）
オーガニック運用と呼ばれる、自社のTwitterアカウント運営や、投稿管理・分析を通じて、自社アカウントを成長させたい場合は、SaaS型のオールインワンツールBelugaを使うことができます。主に以下のような目的で利用されています。
- Twitter投稿の商品フローを設定して間違いなく実施したい
- 投稿予約をしたい
- カンバセーショナルカードの利用など、リッチな投稿をしたい
- 競合のTwitterアカウントをウォッチしたい
- トレンドに掲載された結果を振り返りたい
投稿予約機能が充実しており、昨今のTwitterでよく使われるスレッド投稿（自分の投稿へのリプライの形での投稿）についても予約が可能です（予約の予約投稿）。2022年4月、Twitterでは作れなくなったカンバセーショナルカードも、Belugaなら作ることができます。
導入時のレクチャーもついており、初めてのTwitter運用の場合にも安心な仕組みを整えています。
Twitterキャンペーン：セルフサーブ型
Twitterでキャンペーンを実施したいが、できるだけコストを抑えたい場合は、Belugaの「簡単キャンペーン」機能を使うことができます。
- コストをあまりかけずに、素早く実施したい（自分たちだけでやりたい）
- Twitterの自動応答機能を使いたい（インスタントリプライ）
- 当選者用のページ（個人情報入力フォーム）を簡単に作りたい
Belugaの機能と簡単キャンペーン機能によって、アイデア次第でユーザーが楽しめるキャンペーンを実施することができます。
Twitterキャンペーン：オーダーメイド型
Twitterのキャンペーンはオーダーメイド型で作ることもできます。Belugaキャンペーンはあらゆる機能を有しており、高機能な「インスタントウィン」、「OCRレシート判定」、「アイコンジャック」、「AIを使ったフォロワー判定」、自由なページ遷移シナリオが組める「カスタムストーリー」などがあります。これをを組み合わせた多種多様な企画で、ユーザーに楽しんでもらえるキャンペーンを実施できます。必要であればプログラムを差し込むことで対応します。
オーダーメイド型では、ユニークビジョンの専門家がお客様のキャンペーン実施の実装や最終チェックを行うので、安心してオーダーメイドキャンペーンを作り上げることができます。
まとめ
Twitterマーケティング、Twitterキャンペーンを企画・実施するみなさまに向けて、本投稿をまとめます。
- Twitterは若者だけでなく、幅広いユーザーで利用されている
- 即時性・拡散性・本音ベースが特徴
- 拡散力を生かしたキャンペーンが実施されている
- 発話量を増やし、トレンド掲載を目指すこともできる
- 分析は標準ツールやサードパーティーツールがある
- Twitter活用はオーガニック運用とキャンペーンの２種類と広告
- 目的からを考えることが大事
- Belugaはオーガニック運用、セルフサーブ型キャンペーン、オーダーメイドキャンペーンの３種類で選択
Twitterマーケティングを効果的に実行する際の参考としてぜひご活用ください。
